■ Concept

豊かな余白を継承し、その緑と陽射しを享受し、共有する集合のあり方を提案。

■Outline

都心周縁の住宅街に4人家族の住まいと賃貸住宅の計画。こうしたエリアは、かつては空白や余白を多く残していたが、時とともに密度が増し、街の余白やその豊さも失われている。集合住宅にあって、個々をパブリックな場に無作為にプライバシーがさられることなく、常に余白に配された緑と陽射しを享受し、まさにその場に如何様にも佇める「共有」のあり方を志向している。  

■設計・監理

HUGO KOHNO ARCHITECT  ASSOCIATES
河野有悟建築計画室
一級建築士 河野有悟
http://www.hugo-arc.com/

・過去の受賞作品
2020 [文化村ハウス]
2017 [Hal Halle][RUSSET ALLEY]
2016 [CO-CONNECT]
2015 [CON-FLEX][CRANKS][STREAKS]
2011[SKY FORTRESS+MISAKO GYM]
2009 [FLAP HOUSE]
2008 [東京松屋UNITY]
他9件



■Idea

4人家族の住まいと賃貸住宅4戸からなる建築の計画。 引継ぐべき地脈を敷地の余白と位置づけ、新たな活きた街の空白を次世代に継承する。 建築しないエリアを先に定め、その周縁に片流型ボリュームを自在に配し、他者と緑を共有する為「派生的手法」により複合的要求に応えながら陰影と懐のある住環境を生成した。

  • 先代より引き継いだ敷地の余白を継承し、新たな生きた余地を加え次世代に継承する。
  • 余地を継承し、片流れボリュームを自由自在に組合せ配する、派生的手法により陰影と懐のある住環境の生成。
  • 中庭の緑を取り込みながら、個々のプライバシーを確保する派生的空間。



■Think

計画に課せられた複合的な要求に応える為、サイズ、向き、高さやプロポーション、様々な片流型のボリュームを、この余白の周縁に組合わせ配した。

敷地は南北双方に接道し、それぞれから敷地にアプローチ、通り抜け可能に建築も敷地割も計画することで、次世代の更新時に敷地が分割されても、それぞれが南北の道路への接道を維持できる。 この地に世代を超えて継承されてきた中庭の空地に加え、この動線を次世代に繋ぐ新たな空白として加えた。住戸間の関係や環境形成、将来の更新に自在に応答しうる継承のデザインとなった。自宅と賃貸あわせて5世帯の生活者が、常に余白から緑と陽射しを享受し、佇める場を実現する為、屋内に余白へ向けてアルコーブを設け、その位置や奥行き開口も向きを自在に調整した。これらを「派生的建築手法」と位置づけ、空白を中心に多様に設計を展開することが出来た。



■Gallery