■ Concept
街をつくるように建築をつくる
■Outline
新宿区中落合に建つ2棟建て長屋。親族同士4世帯と賃貸3世帯が住む7戸の住宅は多種多様な要望と制約の元で作られる建築のあり方として、定型化したルールや強い図式を与えるデザイン手法に依らず、多様なものを多様なままに生成する手法を指向している。住戸それぞれの個性を受け入れて「街をつくるように建築をつくる」プロジェクト。
■設計・監理
河野有悟建築計画室、内海聡建築設計事務所
1
正面に残された余白を活かして各住戸がボリュームを柔軟に張り出し、削り、囲って生まれる派生的な外観。
2
それぞれの建築的な振る舞いを許容した外壁には、ボリュームごとに3色と5パタンの表情が与えられている。
3
勾配の向きや高さがそれぞれ異なるルーフトップのボリュームから、光と風が届けられている伸びやかな内観。
■Think
この建替え計画に特に積極的に参加した4世代、7家族に渡るクライアントの多様で個性ある要望と対峙する中で、住戸同士の境界が直接せめぎ合う部分を極力減らし、前庭が取られているファサード面と斜線制限を避けたルーフトップ面に設計の自由度を獲得する方針に辿り着いた。単一のルールや設計のスタイルに支配されることなく、住戸ごとが要求する面積に合わせてボリュームは張り出したり、削られたりしている。また、要望や周囲の状況に合わせて局所的に囲いが付き、出窓が出て、塔屋が立ち上った。そのような「派生的な設計手法」によってこの建築は成り立っている。住戸ごとにある固有な条件や状況を整った建築の中に閉じ込めるのではなく、そのまま複合的に建物の個性として表出させることは本来的に多様である街の成り立ちに近いかもしれない。「街をつくるように建築をつくる」ことがかつての文化村の土地柄を受け継ぐことと期待している。
この建替え計画に特に積極的に参加した4世代、7家族に渡るクライアントの多様で個性ある要望と対峙する中で、住戸同士の境界が直接せめぎ合う部分を極力減らし、前庭が取られているファサード面と斜線制限を避けたルーフトップ面に設計の自由度を獲得する方針に辿り着いた。単一のルールや設計のスタイルに支配されることなく、住戸ごとが要求する面積に合わせてボリュームは張り出したり、削られたりしている。また、要望や周囲の状況に合わせて局所的に囲いが付き、出窓が出て、塔屋が立ち上った。そのような「派生的な設計手法」によってこの建築は成り立っている。住戸ごとにある固有な条件や状況を整った建築の中に閉じ込めるのではなく、そのまま複合的に建物の個性として表出させることは本来的に多様である街の成り立ちに近いかもしれない。「街をつくるように建築をつくる」ことがかつての文化村の土地柄を受け継ぐことと期待している。
■Gallery